じゃああたしがもし死なないでって叫んだらお前は死なないの?ちゃんと生きて帰ってその姿をまたあたしの前に現してくれるの?違うでしょう、あたしがどんなに願っても無意味なんでしょう?お前は死んでしまうんでしょう。あたしがどんなに願っても祈っても夢見てもお前は死んでしまう。だったらあたしにどうしろっていうのよ。願うことも祈ることも夢見ることも許されないあたしに。ただ目を瞑って否定することしかできない、無力で愚かなあたしになにを望むの?あたしだって叫びたいよだって好きなんだから。大好きなんだから。あたしたちがこんな感情持つなんておかしいのかもしれない。この身体に開いた穴はそれらの感情を欠如した証なのに、なんであたしは愛しいと思うのかなんて、わかんない。わかんないし、偽物の戯言かもしれない。でも、あたしは今思ってるこの感情をそんな物だとは思いたくない。ねえお願い死なないでよ。ねえ死なないで。生きてよ。無様に見苦しいまでに生き延びてあたしの前に現れてよ。ねえお願い。いつものようにあたしを呼んで。そしたらあたしはお前に皮肉が言えるのに。涙を止める方法なんて、あたしは知らないんだ。










「グリムジョー、愛してるのよ」








パノラマの海に


溺れる


070825 riyu kousaka